歯は一生の友だち…インプラント治療

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インプラント治療の問題点

上顎と下顎のインプラント治療は基本的に同じ方法で行われますが、どちらもインプラント(フィクスチャー)を埋め込むためには十分な骨量と幅・高さが必要となります。また前歯と奥歯においても、上顎と下顎の歯槽骨の状態は異なり上顎・下顎で偶発的に起きる問題点とその対処方法について説明します。

上顎/上顎洞穿孔

上顎骨には「歯槽骨」という歯を支えている骨の上部に「上顎洞」といわれる空洞が誰にでもあります。上顎洞は目鼻口に厚みのない骨で囲まれていて左右にそれぞれあります。普通は口と上顎洞は直接つながっていませんが、奥歯や親知らずを抜歯した後やインプラント手術によって上顎洞と口がつながることがあり、しっかりとした処置を行わないと上顎洞炎(蓄膿)を起こす場合もあります。この上顎洞の大きさには個人差がありますが、インプラント手術でフィクスチャーの埋め込みを行う際、この空洞が広い場合や、上顎の歯槽骨量が少ない場合には、フィクスチャーが上顎洞底部を突き抜け中に落ちてしまうことや、フィクスチャーが突き出てしまうことがあります。結果フィクスチャーと骨との結合が不十分になり、フィクスチャーの強度が低くなります。歯を支える土台部分の強度が十分でない場合、装着したクラウン(人工歯)を支えることが出来なくなるためインプラント治療は行うことができません。このように上顎洞が広い、歯槽骨量が少なくてもインプラント治療を希望する場合、「上顎洞底挙上術」(サイナスリフト)」や「骨再生法(GBR法)」「骨移植(ボーングラフト)」など行いインプラント治療を可能な状態にしていきます。また治療箇所の歯が1本の中間欠損の場合、インプラント挿入部分が狭く、両端の歯槽骨を痛めてしまうこともあります。

下顎/舌動脈損傷/下歯槽神経損傷/粘膜損傷

下顎は上顎に比べて骨の強度が高いのが一般的です。そのため、下顎のインプラント治療は上顎に比べて成功率が高く治療も短期間ですむ場合が多いようです。上顎には上顎洞という空洞がありましたが、下顎には太い静脈(舌下動脈)が通っています。これを傷つける大量の出血があります。また下顎奥歯には下歯槽神経も通っているため、それらを損傷した場合、舌や唇などの麻痺が起こることがあります。下顎は上顎に比べて歯槽骨の強度や量は高い反面、横幅が狭い場合が多いようです。インプラント挿入部分が狭く、挿入角度を間違えると歯槽骨を突き出し、粘膜損傷となる場合もあります。上顎同様、治療箇所の歯が1本の中間欠損の場合、インプラント挿入部分が狭く、両端の歯槽骨を痛めてしまうこともあります。これら粘膜損傷や他歯の歯槽骨損傷などに対しては、上歯と同じように「骨再生法」「ボーングラフト」などの追加治療を行います。

上顎洞底挙上術/骨再生法/ボーングラフト

上顎洞が広い場合やフィクスチャーを埋め込む歯槽骨量が少ない理由などでインプラント治療が難しい場合でも、治療が可能な骨の状態にするために、「上顎洞底挙上術(サイナスリフト)」「骨再生法(GBR法)」「ボーングラフト(骨移植)」などの追加治療・手術を行います。「上顎洞底挙上術」は、上顎洞底部に骨の移植・骨補填材を挿入することによって歯槽骨の量を増やします。またインプラント本体の一部を挿入し上顎洞底部を押し上げ、治療を可能とする方法です。「骨再生法(GBR法)」は、骨を再生させるための特殊な膜で治療部位を覆い、骨の再生を促します。骨が十分に熟成した後、膜を除去します。「ボーングラフト(骨移植)」は前歯などの歯槽骨量が少なくなった時に有効な治療法で、治療部位に骨の移植・骨補填材を挿入し、歯槽骨と十分に結合した後に治療を行います。治療方法によっては、フィクスチャー挿入時と同時に行えるものと骨の再生を図るための期間を要するものがあります。